ミセスの新アルバムより「ANTENNA/アンテナ」の歌詞を読み解き、曲解説と考察をする【Mrs.GREEN APPLE】

皆さんは先日発売されたMrs.GREEN APPLE（以下ミセス）の新アルバム「ANTENNA」を手にしたでしょうか。またお聴きになったでしょうか。

まだの人はぜひ聴いてみてください。

私は絶賛どハマり中でエンドレスリピート中です（笑）。

アルバムタイトルともなっている「ANTENNA」という曲が新アルバムの一曲目に入っています。
今回はその「ANTENNA」の歌詞を読み解き、解説や考察をしていこうと思います。

では早速始めていきましょう。

歌詞を読み解く

（歌詞はMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」からの引用）

Boys and Girls　妄想は当然だ
良し悪しじゃない好きな方角
どれもが奇跡　君だけのその世界

冒頭パートですが、これは未来に期待する聴き手に向けた歌詞になっています。

その抱いた理想や妄想がいい方に向かうか悪い方に向かうかは今は関係なく、あなたの世界なのだから好きな方に向かって突き進むことが大事で、それのどれもが奇跡だと言ってくれています。

先にこの歌を要約すると「過去の出来事は変えられないけど、過ちや後悔を乗り超えて自分の信じる未来に期待する」という内容なっています。

自分の信じる道を肯定してくれる素敵な歌詞ですが、ここに隠された意味が存在しているように感じるのは私だけでしょうか。

それは「Boys and Girls　妄想は当然だ」の部分で、脱退したメンバーについての妄想をするファンに向けての言葉とも聞き取ることが出来ると思います。

なぜかというと、この歌には「憂鬱や古傷、謝れたらいいな」などの歌詞がこれから出てくるからです（先ほども記述した通り後悔を乗り越えた先の未来に期待する内容なので）。

※ちなみに私はミセスの休止期間中についてどうこう言いたいのではないので、大きな葛藤があったんだと思うくらいにしておいてください。

わかりはしないからいつも
ドキドキしていられるんでしょう？
アンテナコントロールして
憂鬱も抱きしめて
どこまでも行ける
そんな気がしてる

希望が見えず未来がわからないことが当たり前でそのおかげで期待があるのだと言っています。

アンテナは「直感」を表している言葉だと私は考えていますが、希望が見えない怖さから来る憂鬱もその直感を信じて歩けば未来に繋がるのだということが書かれています。

活動復帰までの悩みや葛藤を乗り越え、復帰してからソロデビューやドラマ出演、冠番組など色々なことに挑戦する大森さんだからこそ書ける素敵な歌詞がすでに詰まっています。

少しずつと変わる人や季節に
疲れてしまうけど
私が私自身を諦めて
痛みに気付けない未来がただ怖い

ここから2番が始まり歌詞の情景も変わります。

少しずつ変わる人という歌詞からはやはりどうしても旧メンバーを思い起こさせられます。
とまあここは普通の歌詞なんですが、私が驚いたのは次の歌詞です。

「私が私自身を諦めて痛みに気付けない未来がただ怖い」
ここの部分は「痛み」という言葉がキーワードとなってきそうです。

何の痛みに気が付くべきなのか。

ここまで進んできた道を諦めてしまうことにより生じた「損失や無駄」のことを指していると思いますが、これは聴き手の想像や考えにより意味を委ねられている歌詞です。

アンテナコントロールして
古傷を抱きしめて
どこまでも戻れる
そんな気がしてる

「古傷を抱きしめて」ここで先述の通り、過去の過ちや後悔についてが書かれています。

失敗をしたと思うことがあってもこの先の直感によって失敗の前に戻れる、つまり「失敗が成功に変わる」期待が含まれた歌詞になります。

またネットで言われているように、聴いて感じるようにここの部分（1番も）はミセスのフェーズ１時代のアルバム「５」の「Theater」のメロディに酷似しています。

そこで酷似しているというこのメロディの「Theater」の歌詞を見てみましょう。

何かしら次に繋いで ネンネします

（Mrs.GREEN APPLE「Theater」からの引用）

内容もかなり似通っていると感じるのは私だけでしょうか。

Theater（活動休止前）は次の時代、世代に期待を込めた歌詞で今回のANTENNA（復帰後初のフルアルバム）は過去の過ちや後悔を踏まえた上での期待。
もっと簡単にいうと前者は未知に期待する様で後者は未来への自信が示された歌詞となっています。

ここの部分はミセスという名のストーリーが感じられてとても好きな部分です。

感じ取った？　理の電波
受け取った？　私の愛は
間違ったことなんてないわ
君だけの存在の周波

ここの歌詞はこれまでの歌詞から全て何を表しているかが推測できると思います。

理の電波はこれまでアンテナを張って（直感を信じて）進んできた自分の道のことを指しています。
私の愛はホープレス（先の見えない未来）に向けられた大森さん自身の期待を指しており、君は冒頭にある通り聴き手を指しています。

つまり大森さんがこれまでの歌（歌詞）をあなたに聴いてもらった上で「あなたは先の見えない未来に対して直感を信じて人生を歩めていますか？　あなたのその選択はあなたの人生だから間違ったことなんて一つもないんだよ」と勇気づけてくれている歌詞になっています。

この歌詞を書けるのは本当に天才としか言えない…

やり直したい過去はないけど
謝れたらいいな
過ぎ去ったものは戻らないけど
今日を生きる私の銀河

今の人生があるのは過去があるからで、人生に間違ったことはないからやり直す必要はない。

でも過ちや後悔はあるからそれに対して懺悔の気持ちを持っているということだと思います。

過ぎ去ったもの（損失や無駄）は戻らないけど私の人生のどこかで生きている、糧になっているという意味だと思います。

愛を捨てるの　本気で？
疲れてしまったの？
アンテナは動いてる
私たちは生きている
何をしていても変わらない真実です

愛というのは先述の通り、先の未来への期待を指しています。

それを捨てるということは考えられない選択で、なぜかというと生きている限り直感は働いているからです。

期待をしていても期待を捨てても真実（過ぎ去ったもの。過ちや後悔）は変わらないからアンテナを張りホープレスを愛そう（直感を信じて、未来に期待しよう）と、最後の歌詞に繋がります。

終わり

いかがだったでしょうか。

この曲は恋愛ソングのようにも感じますが、擬人法が使われているので解説したような意味が含まれていると私は思いました。

それにしても大森さんのこの壮大な世界観の要因である「銀河、どこまでも行ける気がする」といった歌詞が本当に今後のミセスや自分の人生に対してワクワクさせてくれてすでに大好きな楽曲の一つです！

追記しますが、Spotifyオリジナル企画「Liner Voice+」で大森さんはアンテナのことを「感受性、感性」の意訳だと仰られています！ぜひそちらも本人からの解説がなされているのでお聴きください。